私と彼の物語

記憶






私は、生まれた時から耳が聞こえない

それを知った両親は、かなり悲しんだらしい

でも、自分たちにとって初めての子供だから大切に育ててくれていた



だけど、私が3歳のとき、父がリストラされた

少し怖いながらも穏やかだった父の性格はそれから一転した


耳が聞こえない私に怒鳴りつけ、私が理解できないことを知っていながら、気に食わないのか殴られる日々

母も荒れ狂う父を止めるが、おさまるはずもなく、どんどんエスカレートするばかり。



母と私は、家にいる時間を極力少なくしたくて、よく散歩に出ていた






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