【完】プリンセス
「でもね? スッキリしたのっ」
「え?」
「最近、その事が凄く気になっててさ?
でも多分だし、アタックして私の方を見て貰える事も出来るじゃない♪」
沙耶の力強い笑顔。
一瞬、俺、見とれたよ?
「ずっと好きだった私をナメないで欲しいしっ」
「強ぇーな」
「うん。だから、心菜さんには、負けないっ」
「相手……心菜って聞いたの?」
「聞いた。だから余計、燃えたみたいな?」
沙耶は、すげーいい女。
それなのに、心菜に向いてる柏原をバカだと思った。
俺が心菜を好きだから、都合が良い……とかじゃなくて純粋に思っただけ。
沙耶みたいに想ってくれる女は、少ねぇと思う。
もし、俺が心菜を好きじゃなかったら沙耶を好きになる自信あるって位。
でも、俺には心菜しか考えれねぇ。
柏原も同じなんかな?