【完】プリンセス
「やっぱり、ここだったんですね。心菜さん!」
あれ?
壱じゃなくて私?
勢いよく開くドアが反動で揺れている。
少し息を切らした沙耶ちゃんが、壱も見ないで私を見つめた。
あ……壱の顔寂しそうだし。
「どうしたの?」
普通に答える私に、呆れた表情。
「大変な事になってますよ?」
「へ?」
訳のわからないまま、沙耶ちゃんに連れられ、一緒に向かった先は……教室。
その光景を見た私の口からは
「えぇぇ?」
ただただ驚いただけだった。
そして周りからの注目。
多分、今まで1番注目された日だと思う。