【完】プリンセス
廊下には、さっきの子達と、知らない女子が正座してた。
そして、私に気付くと、ハーモニーの様な声で
「ごめんなさいっ!もうしませんっ!」
って凄い大声。
それを隣で見てた沙耶ちゃんは、クスクス笑いながら、
「陽呂君が探し出して、謝まって来いって言ったらしいですよ?」
楽しそうに言い『で、どうします?』その子達を指差した。
「もう……いいから。教室戻りな?」
まだ、謝りながら走り去る子達。
沙耶ちゃんは、『えーもう終わりですか?』なんて残念そうな顔をしてるし。
もう陽呂……一体何したのよ?
辺りを見回すと、今までのギャラリーが、もう終わり? みたいな顔で散って行く。
ってあれ?
その中に陽呂の姿を探すのに……居ない?
「沙耶ちゃん……陽呂は?」
「陽呂君なら、先に帰ってるそうです」
「え?」
「帰ったら……慰めてあげて下さいね?」
また楽しそうに笑ってる。
この子も……裏ありなのね?
壱と上手くやってけるわ。なんて思ってしまった。