【完】プリンセス

廊下には、さっきの子達と、知らない女子が正座してた。

そして、私に気付くと、ハーモニーの様な声で



「ごめんなさいっ!もうしませんっ!」



って凄い大声。




それを隣で見てた沙耶ちゃんは、クスクス笑いながら、

「陽呂君が探し出して、謝まって来いって言ったらしいですよ?」


楽しそうに言い『で、どうします?』その子達を指差した。


「もう……いいから。教室戻りな?」


まだ、謝りながら走り去る子達。

沙耶ちゃんは、『えーもう終わりですか?』なんて残念そうな顔をしてるし。



もう陽呂……一体何したのよ?

辺りを見回すと、今までのギャラリーが、もう終わり? みたいな顔で散って行く。


ってあれ?
その中に陽呂の姿を探すのに……居ない?


「沙耶ちゃん……陽呂は?」

「陽呂君なら、先に帰ってるそうです」

「え?」

「帰ったら……慰めてあげて下さいね?」


また楽しそうに笑ってる。

この子も……裏ありなのね?
壱と上手くやってけるわ。なんて思ってしまった。




< 197 / 392 >

この作品をシェア

pagetop