【完】プリンセス
着いた時、まだかおりと沙耶ちゃんは来てなかった。
ホッと胸を撫で下ろし、隠れれそうな場所を探す。
少し離れたデッカイ像の裏にあるベンチ。
ここなら、大丈夫だろな。
待ち合わせは、像の手前にある噴水だしな。
ふぅー……と一息ついて座った俺の横には見るからに遊んでそうな高校生。
「で、まじ可愛いんだろなぁ?」
「お前が気に入らなかったら、帰ればいいじゃん」
「だな。ここからなら、こっち見えねーしさ」
……軽い男だなぁ。
紹介か何かか?
「でも、お前の狙ってる子、まじ可愛いよなぁ!」
「だろ♪声かけて良かったよ~」
「お前が真面目風にしてるとも知らないってのが、可哀相だけどな」
「うっせーよ。てか、あいつに言うなよ?」
「分かってるって、お前の彼女……まじ怖ぇもん」
彼女居るのに……。
はぁー……こんな奴ばっかなのか?
歩いて行く人をボーっと見つめながら思った。
「てか、お前、今日ヤんの?」
「えー? 可愛かったら速攻」
……何だコイツら。