【完】プリンセス
「心菜さんがいいっつぅし、いいんじゃねーの?」

「ふーん……姉ちゃんのせいね」


何か言いたげな顔をして俺を真っ直ぐに見つめる。

勿論、俺だって目を逸らさない。


「あぁ゙?」

「いや、俺は、てっきり、陽呂が決めたんだと思ってただけー」


そう言うとまた、くるっと机の方を向き直した。


「どーいう意味だよ?」

「うぅん~陽呂が気づいてないなら、いい」


少し笑いながらシャーペンをカチカチと出し、ノートに書き始めた。



だーっ!

俺は、ハッキリ言わねー奴が嫌いだぁぁぁ!

美鶴は、俺が、こんな性格だって知っててわざとこんな言い方しゃがる。


「美鶴くぅーん?」


美鶴の首を羽交い絞めにして問い質した。


「いてててててて……」


俺のシッカリはいった腕を両手で掴むけど……。


言うまで離してやるものかっ!

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