【完】プリンセス
「そん時、思ったんだけど……
俺かなり心ちゃんに本気みたい」
え……?
「川合が心ちゃんの事、本気で好きじゃないんなら、俺んとこおいでよ?」
え……///
「あ……えっと……ごめんな…」
言葉が詰まる。
こんな真剣に言われるの初めてで……なんて言ったらいいのかわからない。
でも、答えは……一つしかなかった……なかったのに。
「いい」
私の言葉は、遮られた。
「返事……まだいい」
「でも……私の中には、陽呂しか…」
「分かってる。だから今はいい。
もし、この先、川合の心が変わらなかったら俺を選んで?
それに、俺のアタックもこれからじゃん?」
悪戯に笑う笑顔は、いつもの壱だった。
告白されて返事を拒否されるのも初めてだし。
告白後に、アタックって……?
でも、断れなかった。
壱の真剣な顔を見たからかな?
それとも……壱に自分をダブらせたからか……。