世界をあげる

「捨て子のくせに生意気なんよ。」

6年生のボスが言い放つ。

「…は?」

「母さんから聞いたし。お前、親と血が繋がってないんやろ?ほんとの親に捨てられたんやん。」

このとき利一は知らなかった。自分が幸平と葉子の実の子ではないということを。

「なん…」

「コラー!お前ら!ケンカすな!」

先生が走ってきた。

「やっべ!」

みんな慌てて教室に駆け込んだ。

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