Secret Lover's Night 【連載版】
「これが終われば帰れるんだから」
「メーシーは?」
「俺は、君が撮影してる間にもう一人メイクの予定があるんだよ」
「自分かてちゃっかりサラリーマンしとるくせに」
職種が違うのだから、何も二人まで完全に晴人とスケジュールを合わせる必要はない。
けれど、二人ともここぞとばかりに同じスケジュールで動いていて。
これから子供が生まれるというのに…と、佐野家の経済状況を心配しながら、晴人はモデルの前に立った。
「お前かー」
「何よ。アンタがこの時間にしろって言ったんでしょ」
「お前やったら明日でも良かったやないか」
「何?何かあったの?」
「王子、さ・つ・え・い」
にっこり笑うメーシーの目は、「それ以上言うな」と語っている。あぁ…そう言えば。と、目の前で仁王立ちをするモデルが、相当なヤキモチ妬きだったことを思い出す。
「何でもない。さっさと撮影してまお」
「何よ。言い出したのはそっちのくせに」
「はいはい。すいませんねー。撮影するからメーシー出て」
「了解。終わったら声かけてね、麻理子」
「O.K.」
これから違うモデルのメイクをするとなれば、この女王様モデルが黙っていないのだろう。あーあ。と重い息を吐き、晴人は一度ゆっくりと瞼を下した。そしてゆっくりと上げ、カメラを構える。
「さぁ、MARI。時間やぞ」
「そうこなくっちゃ」
ガラリと表情を変えた晴人に、マリは一度ニッと笑ってから表情を引き締めてポージングをする。
千彩と出会ってからの晴人も嫌いではない。刺々しい雰囲気が穏やかになった分、随分と声を掛けやすくなった。
けれど、やはりマリが好きだと思うのは、こうしてカメラを構える晴人の姿で。
晴人の前に立つと、何もかも忘れて一人の女でいられる。そんな気がして何だか嬉しい。
「I love you,MARI」
「me,too」
たとえファインダー越しの関係だとしても、こうして自分を愛してくれる晴人が好きだ。その想いを伝えようと、マリは輝く。
こうして、数々のモデルが晴人の前で脱いだ。
「メーシーは?」
「俺は、君が撮影してる間にもう一人メイクの予定があるんだよ」
「自分かてちゃっかりサラリーマンしとるくせに」
職種が違うのだから、何も二人まで完全に晴人とスケジュールを合わせる必要はない。
けれど、二人ともここぞとばかりに同じスケジュールで動いていて。
これから子供が生まれるというのに…と、佐野家の経済状況を心配しながら、晴人はモデルの前に立った。
「お前かー」
「何よ。アンタがこの時間にしろって言ったんでしょ」
「お前やったら明日でも良かったやないか」
「何?何かあったの?」
「王子、さ・つ・え・い」
にっこり笑うメーシーの目は、「それ以上言うな」と語っている。あぁ…そう言えば。と、目の前で仁王立ちをするモデルが、相当なヤキモチ妬きだったことを思い出す。
「何でもない。さっさと撮影してまお」
「何よ。言い出したのはそっちのくせに」
「はいはい。すいませんねー。撮影するからメーシー出て」
「了解。終わったら声かけてね、麻理子」
「O.K.」
これから違うモデルのメイクをするとなれば、この女王様モデルが黙っていないのだろう。あーあ。と重い息を吐き、晴人は一度ゆっくりと瞼を下した。そしてゆっくりと上げ、カメラを構える。
「さぁ、MARI。時間やぞ」
「そうこなくっちゃ」
ガラリと表情を変えた晴人に、マリは一度ニッと笑ってから表情を引き締めてポージングをする。
千彩と出会ってからの晴人も嫌いではない。刺々しい雰囲気が穏やかになった分、随分と声を掛けやすくなった。
けれど、やはりマリが好きだと思うのは、こうしてカメラを構える晴人の姿で。
晴人の前に立つと、何もかも忘れて一人の女でいられる。そんな気がして何だか嬉しい。
「I love you,MARI」
「me,too」
たとえファインダー越しの関係だとしても、こうして自分を愛してくれる晴人が好きだ。その想いを伝えようと、マリは輝く。
こうして、数々のモデルが晴人の前で脱いだ。