Secret Lover's Night 【連載版】
ピンポーンとチャイムが鳴り、突然の訪問者に二人は訝しげに眉を寄せて顔を見合わせる。
「誰だろ…」
「さぁ?」
撮影まではまだ数時間ある。モデルにしては早いし、業者にしてもこんな時間に来るなどということは珍しい。勿論、スタッフならばチャイムなど鳴らさずに扉を開ける。
色々と思い浮かべてみるも、とんと見当がつかなくて。仕方なく立ち上がり、首を傾げたまま扉を見つめているメーシーの前に出た。
「そない怪しまんでも。俺が出るやん」
「あぁ、うん。お願い」
一呼吸置いて扉を開くと、そこにはスーツ姿の男が立っていて。どう見ても業者ではなさげな風貌に、晴人は思わず眉を寄せた。
「あの…こちら、JAGの事務所で間違いないですか?」
「えぇ、はい。見ての通りですけど?」
扉に掲げてあるプレートを指し、晴人は答える。
「あっ、そうですよね。ははっ。朝はよぉからすんません。カメラマンのハルさんって方にお会いしたいんですけど、こちらにいらっしゃいますか?」
カメラマンのハル
カメラマンの…ハル?
何度か頭の中で繰り返し、そして気付く。あぁ、自分のことだ、と。
「ハルは…僕ですが。どちら様で?」
「君がハルさん!?俺、モデルさんかと思ったわ」
途端に男の顔がくしゃりと緩んだ。爽やかに短く切り揃えられた髪に、少し太めのきりりと上がった眉。涼しげな一重瞼の目元に、大きな口。晴人には全く見覚えが無い人物で。首を傾げて固まっていると、後ろで会話を聞いていたメーシーが見かねて声を掛けた。
「王子にお客さん?入ってもらったら?」
「あぁ…うん。取り敢えず…どうぞ?」
「おぉ!ありがとう!」
人懐っこそうに笑う男を招き入れ、晴人は思った。何だか嫌な予感がする、と。
「誰だろ…」
「さぁ?」
撮影まではまだ数時間ある。モデルにしては早いし、業者にしてもこんな時間に来るなどということは珍しい。勿論、スタッフならばチャイムなど鳴らさずに扉を開ける。
色々と思い浮かべてみるも、とんと見当がつかなくて。仕方なく立ち上がり、首を傾げたまま扉を見つめているメーシーの前に出た。
「そない怪しまんでも。俺が出るやん」
「あぁ、うん。お願い」
一呼吸置いて扉を開くと、そこにはスーツ姿の男が立っていて。どう見ても業者ではなさげな風貌に、晴人は思わず眉を寄せた。
「あの…こちら、JAGの事務所で間違いないですか?」
「えぇ、はい。見ての通りですけど?」
扉に掲げてあるプレートを指し、晴人は答える。
「あっ、そうですよね。ははっ。朝はよぉからすんません。カメラマンのハルさんって方にお会いしたいんですけど、こちらにいらっしゃいますか?」
カメラマンのハル
カメラマンの…ハル?
何度か頭の中で繰り返し、そして気付く。あぁ、自分のことだ、と。
「ハルは…僕ですが。どちら様で?」
「君がハルさん!?俺、モデルさんかと思ったわ」
途端に男の顔がくしゃりと緩んだ。爽やかに短く切り揃えられた髪に、少し太めのきりりと上がった眉。涼しげな一重瞼の目元に、大きな口。晴人には全く見覚えが無い人物で。首を傾げて固まっていると、後ろで会話を聞いていたメーシーが見かねて声を掛けた。
「王子にお客さん?入ってもらったら?」
「あぁ…うん。取り敢えず…どうぞ?」
「おぉ!ありがとう!」
人懐っこそうに笑う男を招き入れ、晴人は思った。何だか嫌な予感がする、と。