Secret Lover's Night 【連載版】
応接室代わりの会議室で、テーブルを挟んで男と向かい合う。
にこにこと笑う男とは対照的に、晴人は撮影の時に見せる無表情を決め込んでいて。そこにアイスコーヒーを運んで来たメーシーが、ふっと短く息を吐いて晴人の隣の椅子を引き、男に尋ねた。
「僕もご一緒していいですか?」
「あっ、今度こそモデルさんですかね?どうぞ、どうぞ」
「どうも。でも僕、モデルじゃないですよ?ここのヘアメイクです」
「はぁー。こりゃまた結構なお顔立ちで」
「ふふっ。それはどうも」
思わず感嘆の言葉を漏らした男に、メーシーは柔らかな笑みを見せる。そんなメーシーを横目でチラリと見ながら、晴人は思った。相変わらず何を考えてるかわからない男だ、と。
「で、お客様のお名前は?」
「ん?あぁ、まだ」
「もー。何やってんだかね、うちの王子様は。失礼しました。僕はこうゆう者です」
スッと名刺を差し出し、男が受け取るのを待つ。慌ててそれ受け取った男を、晴人はただぼんやりと眺めていた。
「ああっ!こりゃご丁寧に。佐野…「めいじ」さん?僕は吉村大介とゆうもんです」
「佐野「あきはる」ですよ、吉村さん」
にっこりと微笑み、メーシーは思う。まぁ、よくある話だ、と。
「これは失礼しました!すんません、学が無いもんでお恥ずかしい」
「いえいえ。よくあることですから。で、王子。知ってる?吉村さん」
「いや、初対面…ですよね?」
「そうです、そうです。初めまして!」
「あぁ、はい、初めまして」
右手を差し出され、そのままにするわけにはいかず。自分の手よりもはるかにゴツイその手を握り、晴人は益々わからなくなる。
「あの…僕に用って?」
「あぁ!これ!これ見てください!」
そう言って、吉村と名乗った男はカバンの中から一枚の紙を取り出し、テーブルへバンッと広げて見せた。
「これは…」
「これ、撮りはったんハルさんですよね?」
「えぇ、そうですが…」
「この子!このモデルさん今どこに居りますか?会わせてください!お願いします!」
ガバッと頭を下げられ、二人は顔を見合わせる。何とも言えない微妙な空気が流れ始めた。
にこにこと笑う男とは対照的に、晴人は撮影の時に見せる無表情を決め込んでいて。そこにアイスコーヒーを運んで来たメーシーが、ふっと短く息を吐いて晴人の隣の椅子を引き、男に尋ねた。
「僕もご一緒していいですか?」
「あっ、今度こそモデルさんですかね?どうぞ、どうぞ」
「どうも。でも僕、モデルじゃないですよ?ここのヘアメイクです」
「はぁー。こりゃまた結構なお顔立ちで」
「ふふっ。それはどうも」
思わず感嘆の言葉を漏らした男に、メーシーは柔らかな笑みを見せる。そんなメーシーを横目でチラリと見ながら、晴人は思った。相変わらず何を考えてるかわからない男だ、と。
「で、お客様のお名前は?」
「ん?あぁ、まだ」
「もー。何やってんだかね、うちの王子様は。失礼しました。僕はこうゆう者です」
スッと名刺を差し出し、男が受け取るのを待つ。慌ててそれ受け取った男を、晴人はただぼんやりと眺めていた。
「ああっ!こりゃご丁寧に。佐野…「めいじ」さん?僕は吉村大介とゆうもんです」
「佐野「あきはる」ですよ、吉村さん」
にっこりと微笑み、メーシーは思う。まぁ、よくある話だ、と。
「これは失礼しました!すんません、学が無いもんでお恥ずかしい」
「いえいえ。よくあることですから。で、王子。知ってる?吉村さん」
「いや、初対面…ですよね?」
「そうです、そうです。初めまして!」
「あぁ、はい、初めまして」
右手を差し出され、そのままにするわけにはいかず。自分の手よりもはるかにゴツイその手を握り、晴人は益々わからなくなる。
「あの…僕に用って?」
「あぁ!これ!これ見てください!」
そう言って、吉村と名乗った男はカバンの中から一枚の紙を取り出し、テーブルへバンッと広げて見せた。
「これは…」
「これ、撮りはったんハルさんですよね?」
「えぇ、そうですが…」
「この子!このモデルさん今どこに居りますか?会わせてください!お願いします!」
ガバッと頭を下げられ、二人は顔を見合わせる。何とも言えない微妙な空気が流れ始めた。