灯火-ともしび-
* * *


「いやだから離せって…。」

「だってこんな祭りに一人とかさぁ。」


…だから、どうして…


「女の子なら他にもいるでしょーが!」


掴まないでほしい。暑苦しい。


「君がいいの。」

「知らないわよ!」

「そんなこと言わずにさぁ…。」


掴まれた腕にぐっと力が込められる。
咄嗟に反応する身体が叫んでいる。これは『やばい』と。


「離せって言ってんでしょ?」

「いーからいーからっ。」


力が強い。
…生物学を恨む。どうして男に勝てない身体にしたのよ、神様。





「風馬ー!!!」





助けてもらってばかりで不甲斐ないと思いつつ、私は助けてくれる人の名を呼んだ。

< 40 / 85 >

この作品をシェア

pagetop