私の恋人は布団です。
隆也の顔が哀しそうに歪む。
延は,少しだけ罪悪感が芽生えたが,厳しい態度で続ける。
(少し顔がいいからって,甘やかしたらこの人の為にならないんだから……!)
そう言い聞かせて,
「そのままの意味!もう,二度と私の前に現れないで」
そう,キツイ口調で言った。
隆也はと言えば,俯いたままである。
「ちょっと……聞いてる?」
何の応答もしないので,延が痺れを切らせた様に言った。
「……迷惑でしたか……?」
彼の声は少し震えている。
「当たり前でしょう。大体,布団が人間になるなんて嘘に決まってるじゃない」
延は,そのまま続けた。