私の恋人は布団です。

「修一お兄ちゃんって……ちょっと倒錯的な響きだよねェ。憧れちゃうな~。ねぇ,アキラお兄ちゃんって言って~」


 くっきりとした目の縁を濡らして,アキラは熱を込める。


(あ,危ない……!目が……目がイッてる……!?)


「何か,背徳的で燃えちゃうよね~」


(何か,この神様って……ギリギリだわ……)


「やっと神様だって認めてくれたんだね!オレ,嬉しい!」


「ふざけないで下さい」



「はぁあ……でも,やっぱりかぁ」


「何がですか」


「……いや。ちょっと隆也クンが可哀想になってさ」


「何で,ですか」

 先の見えない会話に,延は少しだけ苛立つ。
< 79 / 95 >

この作品をシェア

pagetop