夢日記
ようやく、涙がとまった。


あたしは顔をあげ、椅子から立ち上がり、教卓の前にある汚ない黒板の方へ真っ直ぐに向かった。

黒板の正面で立ち止まり、目を凝らす。


その黒板に書かれた文字は、よっぽど強い筆圧で書かれたようだ。

一度黒板消しをかけた痕跡はあるものの、よく見ると何が書かれているのかははっきりと見て取れる。


シネ、キエロ、オマエウザイ………
無数の悪口。


あたしは黒板消しを手にし、強い筆圧を消すべく、ごしごしとこすった。


あたしの頬を再び、なま暖かい涙が伝う。


窓の外の雨は、ますます激しさを増していた。
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