カタチのないセカイの為に

「あー。
毎晩電話が掛かってきたよ。
そりゃーもうウザイくらいな。
今日はね。今日はね。ってさ。
まるで恋する女の子みたいにさ…」

理子は、声を出してわらった。


「ウザがられるか、
好かれるかの紙一重だな。」


「で、どんなアドバイスしてあげたの？」



「仕事中は、話しかけるな。」

「下手に動くな。」


二人は、笑いが止まらなかった。





トントン。
ドアをノックする音が聞こえた。

「はーい」
音にあわせて美咲が声を返す。

「調子はどう？」
ちょっこドアを開けて、理子声を掛けてきた。
中の様子を伺うと、理子と、健吾が入ってきた。

理子は、腰を下ろしたと思うと、首を傾げた。
「あれ？読書感想文じゃないの？」
「うん。数学のわからない箇所を教えてもらってたんだ。」
理子と健吾は、ニヤリと笑っていた。

美咲には、訳がわからなかった。
旅行に来てから、理子…。
と言うか、みんな可笑しい…。