カタチのないセカイの為に
「そろそろ、休憩しない?」
「うん♪」


応接間に移動する途中で、
理子がキッチンの方へ曲がろうとした。
「麦茶入れてくるから先に行ってて。」
「あっ私も手伝うよ。」

美咲は、足早に理子のほうへ向かった。




応接間───。

風が、木の葉を揺らす音が聴こえた。


健吾が、ダランとソファでくつろいぎ始めた。
優潤は、窓の外を眺める。


「お前、絵、描くなんて、言ってたっけ?」

「あー。昨日決めたんだ。
別に絵は嫌いじゃないから。
それに、宿題持ってきてないからさぁ。」

優潤は微笑した。


───それは、7月の夏休み前

「自由課題、何にする?」

「俺、読み終わってる
本の感想文でも書くよ」───


優潤は、振り返って微笑んだ。

「ありがとう」

健吾は、何も応えなかった。


ドアが開いた。
美咲と理子が麦茶を持って
部屋に入ってきた。
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