カタチのないセカイの為に
優潤が、微笑んだ。

「うん。だから、
そんな事考えなくて、いいよ。」
ここは、『甘えていいところ』なのに。


「絵はどう?おわりそう?」
理子は、視線を上にずらした。
「ええ。」
「私も、今日中に数学終わらせて、
明日は、読書感想文書かないと。」

優潤は、思いついたかのように、グラスを置いた。
「明日の夜、花火でもしない?
花火に『取って置きの場所』が在るんだ。」
美咲と理子は、顔を見合わせた。
とっさに、美咲は部屋を出て走り出したかと思うと、直ぐに戻ってきた。
手には、花火を持っている。
「花火する予定だったから、この間コンビニで買ったのよ。
うーん。
でもやっぱり、チョット少ないかしら…。」
首をかしげながら、呟く。
健吾が、花火の量を確認するように見つめた。
「明日、絵を描き終わったら、花火の買出し行って来るよ。」
健吾の言葉に理子が反応した。
「私も行くわ。」



また、四人は宿題に励んだ。



「ここも、わかんない…。」

美咲の言動に
ドキドキしながら、次の日も宿題は続いた。




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