奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
一人になると、ドッと疲れが出る。


壁に寄りかかり、力を抜いた。


こんな事はもう二度と御免だ。



「はぁ……」



思わず出たため息が意外と大きくて、苦笑いが洩れた。


自分のため息に驚いたのなんて久しぶり。


―ブーブーブーッッ。


うおっ!


膝に置いている鞄が急に振るえ始めた。


慌てて鞄の中を探ると、携帯が光りながら忙しなく震えていた。


げっ!


ヤバ……すっかり忘れてた……。



「も、もしもし!!」

「鈴川さん!? 今何処にいるの!?」

「あ、えと、すみません……ちょっと気分が悪くなってしまって、今階段のところの椅子で休んでます……」



日下部さんの存在なんて綺麗にスッカリ忘れてたぁぁぁ!!


最低だ私!!



「大丈夫? さっき居たお店と同じフロア?」

「は、はい」

「今から行くからそこに居て」

「分かりました」



優しい日下部さんも流石に怒ってるだろうな……。


やっと問題解決したと思ったのにまたもや問題が……自業自得とはいえ辛すぎる。





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