奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
テレビをつけると春ちゃんは私の隣に腰掛けた。


人間には触れられないのに、なんで物には触れられるんだろう。


いいな……。


物に嫉妬してしまう。


私の気も知らず、テレビを見ながら大口開けて笑っている春ちゃん。


こんなに大口開けて笑っててもかっこいいなんて可笑しい。


生きてるときはさぞもてただろう。


それも考えるだけでムカつく。


春ちゃんが生きてるときに会ってたら、私になんか気にも留めてくれなかったかもしれない。


私自身もそうかもしれない。


春ちゃんに興味なんて出なかっただろうし、ましてや好きにもならなかったと思う。


そう考えると何だか複雑な気分。



「人の顔ジロジロ見てんなよ」

「別に見てない」

「あっそ」



生きてたときもこんなにガラ悪かったのかな?


生きてるときに会ってみたかったな……なんて、贅沢な不満が込み上げる。


結局私が寝るまでの間、春ちゃんはずっとテレビを見ていた。





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