奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
手を握られ、冷んやりとした感覚がした。


手を見るとダイヤのついた指輪が、左手の薬指にはめられていた。



「これ……」

「やっとプレゼント送れた。 あ、言っとくけど、オヤジにもらった金じゃなくて、自分でバイトして貯めてた金で買ったんだからな?」



そんなに大きくないダイヤ。


それでも眩しく光っているように見えた。



「サイズぴったり……」

「あんだけ一緒にいたら嫌でも指のサイズ覚えてるだろ」

「ありがとうっ」



振り返り、春ちゃんの胸に飛び込んだ。


ギュッと抱きつくと、更にギュッと抱き返してくれる。


温かい。



「文美、大好きだよ」

「私も大好き!!」



どのくらいの時間抱き合っていたか分からない。


幸せ過ぎて離れたくなかった。


その次の日、私たちは二人揃って見事に風を引いた。






< 252 / 255 >

この作品をシェア

pagetop