『主夫』だって『恋』してますけど何か?
だいたい結婚まで考えてたなら
マリン出来る前に
別れてないよな。
でも、優さんは一度はあいつを
好きだったって事なんだよな〜
そう思うと複雑だ!
「ねぇ・・・・・和樹君はどうして
優の夫を5年も続けられるの?」
優さんと藤堂さんの事で
頭を抱えてていたら
瑠美さんが珍しく
真剣な顔で聞いてきた。
「え・・・・?続けられるって・・・・・
そりゃぁ、婚姻届出してなくても
夫婦だからです。」
「そう。
でも、正式な夫婦じゃないんだから
いつだって逃げられたでしょ?」
瑠美さんは目を伏せる。
「逃げるなんて!!
僕、思った事ありません!」
どうしてそんな事・・・・・
「・・・・そうなの?
ううん、そうよね。
皆が皆、そうじゃないわよね。」
「皆って・・・・・
誰と比べてるんですか?」
瑠美さんは悲しい顔をした。
「夫よ。私の夫だった人・・・・
優の父親ね。」
あっ・・・・・優さんが小さい時に
いなくなったっていう・・・・
「・・・・・どうして、
いなくなったんですか?」
聞いちゃまずかったかな・・・
優さん女の人といなくなったって
言ってたしな・・・
「・・・・どうしてかしら。
私を愛してなかったからかな。
お見合いだったし。
普通の家庭で、優が産まれて、
私は幸せだったんだけどね。
ある日、突然いなくなったのよ。
その時まだ、5歳の優と
買い物に行って帰ってきたら
夫の名前が書いてある離婚届けだけ
机に置かれていたわ。」
瑠美さんは外を眺めながら
思い出すように言った。
優さんが5歳・・・・
今のマリンとあまり変わらない
年齢の時に・・・