『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「・・・・嘘だろ?」

優の言葉に眉間にシワを
寄せて聞いた藤堂。


「・・・・何で嘘だと思うの?
だって肇も私に隠れて
女がいたんでしょ。
私だって同じよ。」


(被害者ぶるのは嫌だ。)

優は肇を睨む。



「・・・・そっか。
じゃぁお互い様だな。」

藤堂は力無く笑った。


「・・・・そうね。さようなら。」

優は部屋を出ていく。



「・・・・優!」

玄関でパンプスを履いた優を
藤堂は抱きしめてキスをした。


「・・・・・何よその顔。
さようなら藤堂さん。」



バタン・・・

藤堂を振りほどき
マンションから出た優。



(・・・・どうして、あんな顔するのよ。)

優にキスをした藤堂は、
今まで見せた事ない切ない顔だった。





(・・・・最低。嘘つき・・・・)

藤堂のマンションを出てから
イライラしながら帰る優。


途中のコンビニでウィスキーを
フルボトル買ってから
途中の公園でそのまま呑んだ。


いつもの冷静さなんてなかった。


今の現実を受け止める事も
できていない。


ただ、藤堂に裏切られたと
言う怒りと・・・


ずっと傍にあると思っていた
温もりを失った悲しさを
紛らわせたかった。




< 282 / 532 >

この作品をシェア

pagetop