『主夫』だって『恋』してますけど何か?
<優Side>
「優、和樹の居場所解ったわよ」
会社で茜が優に封筒を渡す。
「本当!?」
仕事をしていた手を止め
封筒を受け取る優。
それから二人で会議室に場所を移す。
「私のネットワーク使う
必要無かったかもね」
茜は呆れてため息。
「・・・・・マスターの所にいたの」
優は安心してため息をついた。
「大体あんたは一応奥さん
なんだから旦那の居場所くらい
見当つけなさい!」
「・・・・・ごめん。」
(・・・・・本当ね。
5年も一緒に暮らしてたのに)
優は茜に渡された封筒から
取り出した和樹と
カイトが写る写真をみて思う。
和樹が居なくなってから
彼の実家にしか連絡をしていない。
それは和樹の交遊関係を
一切知らないからだ。
和樹が優に友達を紹介した事はない。
婚姻届を出していなければ
結婚式だって挙げていないのだ。
和樹の実家に電話をした時には
和樹の母親から何故か
必死に謝られた。
和樹の荷物だけ届いて
帰って来ない本人に
優から捨てられたのだと
思ったらしかった。
(実家に荷物送るくらい
本気で家を出たんだよね)
案外近くにいた和樹に安心したが
和樹の覚悟にまだ不安になった。