『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・・優、どうした?」
浮かない表情の優を心配する茜。
「・・・・なんでもない」
「・・・・なんでもないって
顔じゃないでしょ。
まだ和樹の事で悩んでるの?
それとも・・・・藤堂さん?」
「・・・・肇は関係ない。」
「でも、あれから藤堂さんに
何も言われてないの?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「その顔は何か言われたのね。」
一瞬表情を曇らせた優を
茜は見逃さなかった。
コンコンッ
「常務、そろそろ会社を出ないと
中野様とのお約束の時間に間に
合わないかと」
優の返答を待っていたら
部下が茜を呼びに来た。
「・・・・まぁ、話したくなったら
言ってよ。何か面白そうだけど
楽しみにとっとくから。
んじゃ仕事してきますわ社長さん!」
茜は優にウィンクして
会議室を出て行った。
「・・・・全然、面白くないわよ」
一人取り残された優が呟く。
それから椅子に腰掛け
昨日の事を思い出した。
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「高松さん、打ち合わせしたい事
あるんだけどいいかな。」
「・・・・はい」
仕事の為、百貨店に来ていた
優に藤堂が声をかけてきた。
仕事相手である藤堂の言葉を
無視する訳にもいかず優は渋々
了承する。
ヒソヒソ・・・
「あの二人って昔
付き合ってたらしいよ」
「あ〜聞いた、聞いた!
この間本社で揉めてたんでしょ?」
「じゃぁ今も?
でも二人共結婚してるよね?」
「え〜・・・泥沼!?」
優と藤堂が二人で出て行く姿をみて
騒ぐ百貨店のスタッフ達。
先日、二人が藤堂の勤める会社で
少し言い合いになった事は
一気に噂になっていた。