『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「藤堂さん、出来ればスタッフの
前で話しませんか。
この間の事で、あまり良くはない
噂がたっている様ですし。」
通路を歩きながら優が言う。
「・・・・解ってるよ。
でもお前、プライベートじゃ
絶対会ってくれないだろう?」
「・・・・・はい」
「電話も何かね。
用件伝えたら直ぐ終わるから。」
藤堂は百貨店のスタッフルームの
扉を開け優を招き入れた。
(・・・・てことは、仕事の話しじゃ
ないって事じゃない。)
優は身構えながら通された
部屋に入る。
「・・・・あんまり警戒するなよ」
部屋に入り藤堂が苦笑する。
「無理でしょ」
優は睨みながら藤堂から
離れた場所に立った。
「俺にだって立場はあるから
今むやみやたらな事できないよ。」
「だったら呼ばないで」
「はいはい。手短に話すから。」
藤堂は離れた優に近づいた。
「優、俺・・・・
離婚するから。」
「・・・・は?」
「ちゃんと整理してから
お前にもう一度、伝える。」
「・・・・・・・・やめてよ」
「やだよ。
もう嫁さんには言ったし。」
「そんな事しても私は・・・・」
「俺、まだ何も言ってないだろ。
・・・・今日はこれで終わり。」
藤堂は微笑むと優に背を向けた。