『主夫』だって『恋』してますけど何か?


(・・・ずるい)

優は部屋を出ていく藤堂の背中を
眺めながら心の中で呟く。


藤堂は優に返事をさせない。


付き合った時もそうだった。


藤堂が離婚して優に言う事なんて
一つしかないのに。


(・・・・和樹はこれを望んでるの?)


優は泣きたくなった。





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(和樹はマスターの所にいる。
今日マリンと行くかな・・・
でも会ってくれなかったら?)


「違う、そうじゃなくて」


優はウダウダしていた
気持ちを切り替え会議室を出る。



(・・・・・ちゃんと和樹に伝えないと)





「社長、携帯何度か鳴ってましたよ」

仕事に取り掛かろうと
オフィスに戻ると社員が言った。


「・・・・ありがとう」

伝えてくれた事にお礼を言い
携帯を見る。



「・・・・・・・・マリン」

着信はマリンの幼稚園からで
留守電を確認した優は
直ぐにオフィスを出た。



<優SideEnd>



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