『主夫』だって『恋』してますけど何か?
カタッ・・・
目を閉じて耳だけ集中していたら
クローゼットが少し揺れた音がした。
優さんが触れたのかな・・・・・
今、ずっと逢いたかった優さんが
薄いクローゼットの扉を挟んだ
だけの距離にいるはずなのに
とても遠く感じる。
「・・・・・・でもね、やっぱり男は
最低だとも教えられたの。
肇は・・・私を裏切った。
やっぱり肇もお父さんと一緒で
他の女と家庭を持つ事を選んだ。
結婚をしてなかったから
よかっただけで・・・・
だから婚姻届にサインするのは
嫌だったの。
どうせ、和樹もいつか
いなくなるんだってずっと
思ってきた・・・・」
何だか苦しそうな優さんの声。
・・・・・俺頼りないもんね。
これ程に、自分が優さんよりも
年下に産まれた事を悔やんだ事
ないかもしれない。
今だって、なんて言ったら
いいのか解らないんだ。
俺は違うって否定したらいいの?
このクローゼットを開いて
優さんを抱きしめたらいい?
それとも拒絶すればいい?
ねぇ優さん・・・・・
あなたが望んでいるのは何?