『主夫』だって『恋』してますけど何か?


俺と優が付き合っている事は
もう社内では公認で、優を
口説こうとする奴はいなくなった。


・・・・いや、正式には俺が
近付かせない様にしている。


客からのセクハラは相変わらず
みたいだが、優は上手く交わせる
ようになったらしい。



障害が無くなった優はもう
俺の指導なんて必要なくて
今や営業成績が一番の俺を
追い抜く勢いだ。



優には・・・・
俺という存在が
なくてもいいのかもな。


仕事とプライベートは分けて
考えてきたはずなのに、なぜだか
優の成績を見ながら弱気になる。



(せめて、仕事では
負けないようにしますか。)


付き合っていて、勝ちも負け
なんてものはないけれど
なんだか俺ばかり優を追いかけて
いる気がしたのでそんな事を考えた。





ザワザワザワ・・・・


有名なホテルで行われ大勢の人で
賑わう取引先の祝賀会。


「・・・・・藤堂です。
よろしくお願いします。」


沢山持ってきていた名刺が
無くなりそうなくらい、
何人もの人達と挨拶を交わす。


祝賀会は様々な顔触れが一気に
揃うので、営業にとって
客を見つけるのに絶好の場所だ。



「おおっ藤堂君じゃないか!」


「・・・ああ!
こんばんは、竹屋社長。
いつもお世話になっています。」


だいたい挨拶を済ませた頃
取引先の社長と鉢合わせた。



「この間、君の提案通りに
して良かったよ!
大分儲けさせてもらった。
さすがだねぇ!」

竹屋社長は上機嫌に話しかけてきた。


「いえいえ、そんな。
最終的に私を信じて決断して
いただいた竹屋社長のお力です。」

適当に交わしながら、そろそろ
帰りたいなと考える。


優に、早く逢いたいから。



「お父様。」


「おおっゆうこ。
藤堂君、紹介しておくよ
私の一人娘のゆうこだ。」


優の事を考えていたら、
柔らかい女性の声がした。

竹屋社長は自慢げに
その女性を俺に紹介する。


「どうも、初めまして。
藤堂と申します。
竹屋社長にはとても
お世話になっています。
竹屋社長、素敵な娘さんですね。」

笑顔で社交辞令を言った。


「そうだろう!
どうかね、藤堂君。君の嫁に!
藤堂君なら、私は可愛い
娘との結婚を許す。」


「もう!お父様!」


竹屋社長が言った言葉に
娘のゆうこさんは真っ赤な顔で怒った。


清楚で、いかにもお嬢様な感じの女性。


「あははっ、僕には
勿体ない女性ですよ。」

そう言って軽く交わしたつもりだった。



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