『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「藤堂さん、今晩一緒に
お食事どうですか?」


優と付き合ってからも、数は
減ったけど、まだ食事やデートに
誘ってくる女は何人かいた。


「ごめん。先約あるから。」


「じゃぁ空いてる日に・・・」


「明日もあさっても空いてないよ。
仕事以外は彼女優先だから。」


そう言って断ると、誘ってきた
女の子は悔しそうに
俺の前からいなくなった。




「まさか藤堂が
女一人に絞るなんてねぇ。」


「・・・・山中。」


一部始終を見ていたらしい
同期の山中が声をかけてきた。



「高松いい女だもんなー。
俺らももうすぐ30だし
結婚とか考えちゃってる訳?」

俺の肩に肘を置きながら山中は言った。


「・・・ああ。
考えてるよ結婚。」


「うわっ藤堂らしからぬ発言・・・・
取っ替え引っ替え女変えてた
奴とは思えないわー・・・
浮気とか考えた事ないわけ?」


「高松と付き合ってからは
一度もないね。」


「どんだけ愛しちゃってんのよお前。」


「自分でも驚いてる。」



・・・・・そう。


優と付き合ってから、
浮気なんて一度も考えた事
なかったんだ。





「優、今日俺、取引先の
50周年の祝賀会だから
夜お前のとこ行けない。」


「うん。」


最近、お互いのマンション
行き来していてずっと一緒にいる。


別々の仕事で遅くなる日は
一応伝えておくけど、そんな時
優は俺のマンションで寝てたり
しててそれが嬉しく思う。



でもやっぱり、優から俺への
『好き』の一言はない。



言うのが恥ずかしいのだろうか?


それとも、恋愛に鈍感すぎて
まだその気持ちが
解らないのだろうか?



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