『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「何でまた・・・・・藤堂さんが?」
茜はまだ信じられないといった
顔をしている。
「うちらが会社辞めた後しばらくして
その会社に引き抜かれたんだってさ。」
優は淡々と喋る。
優と茜は今のこの会社を立ち上げる前
同じ会社で働いていた。
そして藤堂肇(トウドウハジメ)も
当時の会社の先輩だった。
「まぁ・・・・仕事は
出来る人だったもんね。」
「うん・・・・」
優はパソコンを打つ手を止めた。
「で?なんかあったの。
藤堂さんと。」
茜はちょっと気まずそうに聞いた。
「・・・・・・・まぁちょっとね。」
優は素直に答える。
茜は仕事仲間でありながら
優にとっては数少ない親友でもあった。
「ちょっとって・・・・
あんた大丈夫?担当替わろうか?」
本気で心配しながら聞いた茜。
それは、藤堂肇が優にとって
どんな存在だったか知っていたから。
茜は、マリンが優と和樹の
子供でない事も知っている。
この事を知っているのは他に
優と和樹の身内くらいなのだ。
そのくらい優と茜は親しい。
「大丈夫よ。
向こうは私を担当で指名してきてるの。
挨拶だってしたのに今更代わるなんて
それこそ全部台なしよ。」
優はそう言って、
またパソコンを
打ちはじめた。
「じゃぁ昨日何があったかちゃんと
私に報告しなさい。」
茜はちょっと強めに言った。
「まったく・・・・・
土曜日にわざわざ来たのに
仕事にならないじゃない。」
優はため息をつきながら、
きちんと話しておこうと
茜の方を向いた。