『主夫』だって『恋』してますけど何か?
優は自室のベッドに倒れて目を綴じた。
ブーブーブー・・・・・ブーブー・・
しばらくして、携帯がなる。
「・・・・・・誰よ」
知らない番号が表示されていた。
「・・・・・はい、高松です。」
『あっ優?俺だけど。肇。』
電話は藤堂肇からだった。
「・・・・・・なんで番号知ってんの?」
優は肇と付き合ってた頃とは
番号が違う。
『部長に聞いたんだ。
これからしばらく一緒に
仕事するんだし、いいだろ?』
「・・・・何か用?」
優は冷たく言った。
『そんな冷たく言うなよ。
なに?この間の事怒ってるのか?』
携帯から聞こえる低めの
からかう様な声に優は苛立った。
「あたり前でしょ!?
普通、仕事の食事中にあんな事する?」
『なんだよ、同じ会社にいた時は
仕事中にあんな事してただろ−が。』
肇は電話越しに笑う。
「・・・・・うるさい!」
優は怒鳴った。
今すぐにでも電話を
切ってやりたい気分になる。
『そんなに怒るなよ。
別に優を怒らせようと思って
連絡したんじゃないよ。』
肇は優しい声で優を宥める。
「じゃぁ何?
さっさと用件言って。」
『月曜日、会えないか?』
「・・・・・仕事が関係ないなら嫌だ。」
『言うと思った。でも、待ってる。
いつものとこで。』
そう言って、肇は電話を切った。