学校監禁ツアー
〈岡本 みゆき〉

奏太とはぐれた私はいそいで奏太を探しに行った。

「奏太ー?」

だけど、奏太どころか、他の人もいない。

保健室にきて、保健室前に誰かいることに気づいた。

――二人。

「だれ…?」

そのうちの一人がこちらを振り向く。

間違いない!制服は真っ赤になっているけれど、恵美だ。

「恵、美…?」

「みゆき…」

「恵美、恵美!でも、どうしてここに…?」

「昨日、私は遅くまで勉強してたんだけど…気がついたらここにいたの」

恵美は無表情だ。

「ここから、出られないの…私、のどが渇いて…」

「水、は…?」

「出ないの。トイレを流す水以外」

そこで、もう一人の方へ視線を向ける。
「ひっ…」

藍が、死んでいた。

頭がわれ、お腹がさけている。

「城崎くん、私が来たときにはもう間に合わなくて…必死に止血しようとしたんだけど…」

だから、制服が真っ赤なのか。

「…恵美は悪くないよ」

「みゆき…私、みんなのぶんも頑張る。私、絶対生きて帰る」

「生きて帰る、とか出られないって、どういう事…?」

「私達は、この学校に監禁されたんだよ。もう、出られない」



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