気持ちの先にあるもの
「ほんとに良かったね!」

「うん・・良かった。。」

病院からの帰り道、理恵と私はほんとに自然に何回もこの会話が出て来た。

2人とも目を真っ赤っかにしながら。


いつの間にか夕方になっていて、ほてった体に生ぬるい風が時折ぶつかってくる。

達也君はずっと黙ったままでずっと拳を握りしめて隠している、
犯人の男を殴った手が内出血して青くなっているのが見える。

理恵に見えないようにしてるんかな・・・
初めてみる達也君に理恵びっくりしてたもんなぁ。


私も人を叩いたの初めてでまだその感覚が残ってる。

叩かれた方はもちろん痛いけど叩く方も痛いんだね。

「今日は2人ともごめんな・・。俺が落ち着かなあかんのに、キレてもうて。」

ふいに達也君が口を開く、

「しょうがないやん!あの状況じゃ誰でもあぁなってたと思うし。なっ雪江?」

理恵の問いに私も笑顔で頷く。

「ありがと!また春樹意識戻ったらお見舞いいこ!」

理恵と達也君に笑顔が戻ってよかった。


春樹君早く元気になってな・・・・
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