あおぞらカルテ
はるとくんは震えていた。

いつもどんな光景を目にしてるんだろう?


「谷中さん!!」


頼む…どうか無事で…!

玄関をガタガタしていると、一足遅く警察がやってきた。


「通報者の方ですか?」


病院を出る前に電話しておいてよかった。

警察は玄関をこじ開けて中へ入って行った。


「…お母さん!!」


はるとくんと一緒になだれこむように家の中に入ると、リビングやキッチンは物が散乱していた。

そして、目の前には母親に料理包丁向けている父親。


「…だから病院に連れていくなと言ったんだ…もうお終いだ…!」


最悪の状況だ。

警察も手を出せないでいる。

ヘタに刺激すると…


「お父さん!もうやめてよ!!」


走り出たのは、大人たちじゃなくて、7歳のはるとくんだった。


「靖人!!!」


母親の叫び声が聞こえた。

一瞬の出来事だった。
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