悲観のブルーダイアモンド


その写真はレシピ本に挟んだ。
また新たな発見があるかもしれないと
手にしていた本を開いたが
いたって普通の小説だった。
小説を放り投げ、本棚を動かす何かがあるはずだと探した。

本棚の側面は壁にくっついているようで横にひくタイプではなさそうだ。
壁を叩いてみたがとくに以上もない。
では本棚自体に仕掛けがあるのか。

本を片っ端から動かしてみた。
すると、中段の本をどけると
そこにはスイッチのようなでっぱりがあった。
迷わずそれを押すと本棚は
砂埃をあげながら
奥へとずれて、扉の様に壁にくっつき闇がすがたを現した。

電気はあるようだがスイッチがわからない。
だが、本当に抜け道なのだろうか。

期待と不安に胸を踊らせながら
ゆっくり前進した。

カベをつたいながらゆっくりと
闇の中に姿を消す。
すると偶然にもスイッチがあった。
スイッチをいれると、
長い長い道が姿を現した。
電気が15m間隔で一つずつ。
壁は真っ白で時代を感じさせなかった。

道には電気以外何もない。

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