薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
私立とつくからにはこの学校にはお金持ちと頭の良い人ばかりと思いきや、時々理事長の御眼鏡にかかり、入学を許可された人物も紛れ込んでいる。その中には少女―――紫音も入っていた。
紫音の家は由緒正しい家柄ではあるといえばあるが、最近ではそんなことも薄れてきており、今では一般的な家と変わらない生活をしている。
そんな彼女も理事長とかかわりがあるという点、なぜか気に入られている点から入学を許可され、ある程度の学力を考慮し、学費の半額で済んでいる。
紫音はいつもの登校風景を目にしながらそれに加わるように紛れていく。
男女ともに友人、恋人と落ち合うたびに挨拶を交わしそのままダラダラと歩を進める。それらを他人事のような感じで眺める位置に紫音は存在している。
彼女がその生徒たちと同化して丁度2分ほどたったころ、後ろから肩を叩かれる。紫音がそれに答えるように後ろを向くと一人の少女が微笑を浮かべ立っていた。