薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~



白い壁に白いロッカー。それによって全体が太陽の光に反射される教室は清潔感を感じさせるためにという理由から設計当時に決めていたものだ。


しかし今の光景は実に異常だった。白い壁が反射され、聖域を作り出されていると思いきや、黒板に群がる彼ら、彼女らの光景によって一気に崩される。普段はこのような異常な光景を見ることは叶わないが、今日は別だった。


なぜなら今日は前回行われたテストの順位が発表されるからだ。


紫音が通う私立櫻ノ宮学園では今時の学校にしては珍しい方式を取っている。


それが生徒たちに順位を公開することだ。最近では生徒の人権侵害やらの問題で順位公開する学校がめっきり減ってきているが、櫻ノ宮学園では昔からの方式を変えず、順位を生徒たちに知らせている。それでも問題が起こらないのは私立独特だろう。


それゆえ、少年少女たちはこうして張り出されている順位を見るために群がる。それはいつもの光景。だから紫音も茜も気にすることなく、自分の席へと座る。


しかし彼女たちはすぐに立つことになる。


なぜなら……






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