隣の彼女は・・・
「わ・・忘れっぽいって?」



鈴の唇が離れた後

鈴の唇を見つめたまま俺が聞くと




「だって、駿のファーストキスの相手って

三浦先生じゃなくって


私だもん!」




「えっ!?鈴だった・・・っけ?」



「そうだよ。

ファーストキスなんて大事なものを

三浦先生になんか奪われちゃったとか
思って今まで来たんでしょ?

信じらんない。

全く覚えてないんでしょ?」



「う・・・うん。」



マジで?俺のファーストキスは鈴?



びっくりすると同時に嬉しくもあり




「よかったね、駿。

あの時、私が駿の唇奪ってなきゃ

本当に

駿のファーストキスは、三浦先生だったんだから。」




うん???


何故か

“駿の唇を奪ってなきゃ”って言う

鈴の言葉に俺は少し引っ掛かった。



「何?」

「いや・・・別に・・・・」



まあ・・いいだろう。



「しょせん、駿は私には勝てないんだから、いい加減、そこのとこ分かりなさい。」



鈴が勝ち誇ったように言った。


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