仮面ライダー ORIGINAL FORM
…固いの固いの飛んでいけ
「せっかく捜し出したのに…」
服の袖で口を拭いながら肩を落とす青年。
『矢車荘』と書かれたオンボロアパートの門をくぐる。
辺りは夕日で赤く染まり始め、おいしそうな夕飯の香りが漂う。
「この香りは……カレーライスか?有り金全部はたいて買った高級芋羊羹……もっと食べておけばよかった…」
ふらふらと塀沿いを歩きながらお腹に手をあてる。
「それにしても…あの人…なんていうか…変な恰好してたよな…」
『矢車荘』にいると聞いた『地獄の一匹狼』。
濃い茶色の革のロングコートは右肩部分から破られていて、あらわにされていた右腕にある狼の入れ墨。
『地獄の一匹狼』に間違いないはずだが、心の狭さにはさすがに呆れるしかなかった。
まぁ、一匹狼なのだからそれが当たり前なのかもしれないが。
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