仮面ライダー ORIGINAL FORM
「おぉ……」
空腹の苦しみに更に追い撃ちをかける夕飯時の香りから逃げるように歩いていると、夕日で綺麗に染められた河が目の前に広がる。
住宅地を抜け、河沿いの歩道を横切り階段を下る。
――ジャリッ
「綺麗だなぁ……」
河岸の砂利の感触を足で楽しみながら、河沿いを歩く。
向こう岸までは数十メートルぐらいだろうか。
綺麗な水が流れているが、河底が見えるのさ数メートル先までだ。
――ジャリッ
「とりゃ!」
――パシャンッパシャパシャッ
「三段か…」
丸くて薄い石を見つけるのは得意な方だ。
だからと言って、たくさん水切りをこなせるかは別問題。
石を投げ放す瞬間に手首のスナップを効かせるなんて器用な事をするのは難しい。
ましてや、それを習得しようという意欲、向上心、忍耐…俺には皆無と言っていいほど備わっていない。
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