あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】
「顔合わせをする日が今日になった」


え……?


「急ですまない。相手の方が早く会いたいと言っていてな、今日の午後を予定している」


お父様の声が部屋の中に静かに響いた。


心なしかお父様の声が嬉しそうに聞こえる。


そりゃそうか。


あたしと婚約者との顔合わせなのだから。


「あの、お父様……」


「なんだ?」


お父様はあたしに微笑みながら視線を向ける。


いつもあたしに向けられているはずなのに、今はそのお父様の視線が痛い。


「優也は……優也は今日で執事を辞めてしまうのですか?」


答えを聞くのが怖い。


それは、優也と離れたくないから。


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