幼馴染と甘い夏【短編 】



「あのね、せっかくだから、海見ながら歩こうなんて言ったの、亜里抄(アリサ)でしょーが!」

「…うん。」

「地元だとか言って、何で迷子になるのよ!この暑さでどんだけ歩いたと思ってんの?」


ごもっともです。

反論の余地、ありません!



「…やっぱりアリサに任せたあたしがバカだったわ。バス待ってればよかった」

小さく諦めのため息をつかれる。



ポニーテールの毛先を巻いてやってきたのだけれど、もはやその毛先を直そうと髪に手を触れることすらできないほどに、あたしはただ小さくなった。



触らぬ神に、何とやら、だ。


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