幼馴染と甘い夏【短編 】
あたし達は、かれこれ30分は大きな荷物を持って歩いていた。
ママのお兄さん夫婦が経営する海辺のペンションへ向かう途中なんだ。
あたしは、親友の愛理を連れて、ペンションと海の家のバイトにやってきた。
親戚のよしみで、夏休みの間住み込みさせてくれてるの。
親戚の家とはいっても、祖父母の家も近く、自分も昔住んでいた場所でもあるから。
道は分かってるつもりだったんだけど、なぜか迷って本来の倍以上の時間歩いている、というわけ。
この暑さでこんだけ歩かされたら、誰だって不機嫌になる、よね?
「エリ、ごめんね?着いたらアイスおごるからね?」
なんて、ご機嫌とりしてみれば、
「当然でしょ。」
と。
ハイ、ホントスミマセン…。
ああ、早く着かないと愛理が爆発しそうだ。
誰か助けて~!!