プラチナ・ラブ


テツの店からの帰り道。

俺は花音と並んで歩いていた。


「言っとくけど、マジで狭いし汚ねぇぞ?」

「それはいいんだけど……本当に大丈夫?」

「じゃあ野宿するか?」

「……嫌です」

「気にすんな。
本当に誰もいねぇから」


悲しすぎるぐらいに静まり返ってるからな、俺ん家。


「そういや……飯どうすっかな……」


さすがにコンビニ弁当じゃな……。

かといって料理っつっても簡単なものぐらいしか……


「あたし、作ろうか?」

「え?」

「泊めてもらうお礼」

「………………………」

「……何、その不審そうな目は」

「いや……味の心配を……」

「大丈夫だって!!」


……不安だ。


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