キミとボクの部屋。

「おい、兄さん聞いてんのか?」

「えっと-…あなたは…」

レモンサワーを俺に差し出しながら

その男は口を開いた。

「俺は、ここのマスター。」

「マスター…。」

「そ、ケンさんって呼んで」

「あぁ、はい」

レモンサワーを口にしながら俺はうなずいた。

炭酸ドリンクのようなさわやかさが

口の中に広がった。

「兄さんはアヤリの恋人か?」

「ぶっ」

「おいおい、しっかりしろよ」

動揺しすぎて吹きこぼしてしまった。

ケンさんは俺にタオルを差し出す。

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