オトナの秘密基地
間もなく、叔父夫婦と正さん、正さんのお姉さん、叔母の両親がぞろぞろと入ってきた。


「和子、ずいぶん早いじゃねえか」


正さんが声をかけてきた。


「カツヤと、たまたま近くを通りかかっていただけです」


「そうか。今度は泣きわめくなよ、カツヤ」


今度は、という言葉を聞いて、また嫌な思い出が蘇る。

前回泣かせたのは、この男が何もしていないカツヤを叩いたせい。

泣きわめかせたのは誰だと言いたかったけれど、カツヤの耳元で
「辛抱ですよ」と囁いた。

私自身に言い聞かせるように。


空襲警報がまた鳴った。

それからすぐに、ごうごうと飛行機の爆音が轟く。

この音は、一機だけではない。

複数の飛行機が旋回している音だった。


「今回は、本物の空襲か!?」
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