オトナの秘密基地
何をするんだろう、とドキドキしていたら、手を引っ張られて、リビングの奥へ案内された。

8畳の洋室で、書斎風のインテリアとなっている。

ライティングデスクの上に、ノートPCが一台置いてあった。

『盛り塩さん』は、そのPCを開いて、電源を入れる。

立ち上がるまでの時間、私に向けて、口パクとジェスチャーで一生懸命伝えてくれた。


「タイピングした方が早い。
さっきの営業、多分もうすぐ戻ってくる。
それまでにちょっと聞かせて欲しい」


即座に頷いた。

私の見たあの世界のことと、この『盛り塩さん』の繋がり。

なぜいきなり『盛り塩さん』の耳と声が使えなくなってしまったのか。

ジェスチャーだけで伝えるのは無理だった。
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