オトナの秘密基地
どうしよう。

マスターとまた、顔を見合わせる。


「和実ちゃん、本格的にあっちの和子さんがピンチなのかも知れない。

早く何とかしないと、博矢が完全に消えてしまう。

君はネットで北海道の空襲について調べて。あと、妊婦の注意事項も!」


早口でそうまくし立てた後、マスターは私が握っていた中田さんの手を自分の方に引き寄せた。

そして、掌に何か書いている。

目も、耳も、言葉も不自由な人は、指で会話をする。

きっとマスターはその方法で、中田さんを励ましているんだ。

中田さんは、何度も頷いていた。


「和実ちゃん、こっちはいいから、早く調べて!」


マスターにそう言われ、私は慌てて検索しはじめた。
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