シュガーレス

♪3


あーあ、と呟き彼は続けた。


「見たんなら早く言えやー、キャラ作るんしんどいし」


…キャ、キャラ?


「小泉君だよ…ね?」


「はぁ?
他に誰に見えんねん、アホちゃうか?」


あ、アホ…


…違う。


いや確かに小泉君だけど、こんなの小泉君じゃない!!


「だって、いつもと違うし…」


「そら、そうやろ」


ハンっと鼻で笑う。


「こっちが素やもん」


…どうゆう事?


「いつもの俺は、あれキャラ作ってんねん。」


「あの…キャラって?」


さっきからやたらと、キヤラと言ってくる。


「キャラはキャラやん。
普段はみーんなの望む、『小泉透』を演じてんの」


…嘘。


「んー?」


ショックで呆然としている私を、覗き込んでくる。



「何?ショックなん?」


ニヤリと笑うその顔に、不覚にもときめいてしまった。


「まぁバレたんは初めてやし、俺も軽くショックやわ」


イタズラが見つかった子供みたいに、口を尖らせている。


わ、私…

もしかしてとんでもない物を見たんじゃ…?


「あの!」


「何?」


「私…どうなるの?」


「は!?」














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